総当たりはやめよう――「直接ライブに誘う」のは”本当に”興味を持ってくれている人に絞るべき

それ、誰も幸せにならないお誘いになっていませんか?

総当たりで「直接ライブに誘う」のは嫌われる

Twitterや公式サイト等で広く告知するだけで、ファンの側からアクションが起き、チケットを取ってライブに来てくれる――アーティストの方からすればすごくありがたい話だし、1つの理想の形です。

しかし、よっぽど軌道に乗っていない限りは、ある程度は口頭やTwitterのダイレクトメッセージ、LINEなどで、「直接ライブに誘う」という活動も必要なのが普通ですよね。

僕もそれ自体は否定しません。頑張ってと思う。

11667598863_b69df072c0photo credit: www.imaj-davetiye.de via photopin (license)

しかし、たまに「いやいや、あなたからの場合は、直接誘われたからといって行く気はまったくないよ?」みたいな方からの誘いがあるんです。必死なのは分かる、よく分かります。

しかし、ただただ1人のお客側として思うのは、まだそんなに興味のないアーティストから直接ライブに誘われるのって、正直すごく面倒くさいのです

断るためのコミュニケーションが面倒くさい

例えば「Twitterで告知ツイートが多すぎる」ってやつは、今回のと比べれば実はまだよっぽどマシでして。

なぜかと言うと、フォロー解除やミュート等の機能で、いくらでも無視できるから。極端な話、1回2回スマホを叩いて操作するだけで、避けることができるから。

しかし行きたいと思わないライブに“直接”誘われた場合は、よほど心が冷たくない限りは、それなりの理由を説明して断るという、面倒なコミュニケーションが発生します。無視というのがなかなか難しくなるんですね。

2300402805_2fbf50e1fcphoto credit: After drunken night at Chris’ II_MMVI via photopin (license)

もちろん、断る側も得しないし、誘ったアーティスト側もすごく良くないイメージを植え付けられることにつながり得るんで、こういったアプローチはしっかり考えてからやった方がいいと思います。

直接ライブに誘うべきは「あとひと押し」以上の人

上述したように、直接ライブに誘う行為そのものは悪いことではありません。問題は、「それを行う対象相手をじっくり考えていないってこと、ありませんか」という話

つまり僕が提案したいのは、「お客さんの”熱量”を見極めて、”あとひと押し”以上の人にしぼって直接誘おう」ということです。

以下の図を見てください。音楽マーケター・高野修平さんの書籍「始まりを告げる《世界標準》音楽マーケティング」から引用させていただいた図になります。

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ざっくりですが、「知っている」だけの潜在層から、音源やライブチケットを購入する購入者層、そしてそれを超えた先のファン層といった形で、アーティストに対する熱量をもとに、お客さんを分類し、可視化したものだと考えてください

このような形に分類したとき、直接ライブに誘うべきはやはり「検討層」以上の人たちです

購入者層やファン層は自発的にアクションを起こしてくれますが、検討層は「あとひと押し」さえあればという人たち。ここに直接「ライブ来ませんか?」とお誘いすることに、すごく意味があるのは明らかですよね。

逆に興味関心層というのは、あくまで「こんなアーティストがいるのか」「こんな音楽やってるのか」程度の人たち。何も考えずにこれらの層にまで積極的なアプローチをかけてしまうと、前述のような「シラケた」「面倒くさい人(バンド)だな」と思われかねないわけです。

お客さんの熱量に合わせた適切なアクションを

アーティスト側だって、お客さんに不快な思いされて得することなんて何1つありません。「お客さんの熱量を見極め、今お客さんが望む情報を望むだけ提供する」ということ。これを心がけられると、きっとみんなハッピーになれるんじゃないかと思います。

ちなみに上記の書籍には、「ソーシャルメディアは潜在層を興味関心層に変化させるのに有効であり、マスメディアは興味関心層を検討層に移すのに有効」などといった、音楽マーケティングに関する興味深い話がたくさん出てきます。個人的にはめちゃめちゃおすすめです。

エヴァンジェリスト、戦略PRがカギの時代。高野 修平さん著「始まりを告げる《世界標準》音楽マーケティング」を読みました。 | よしオト。

よっしー
1995年大阪生まれ 音楽とインターネット育ち。 詳しくはこちら。