“教科書”の名にふさわしい、端的な解説 —— Webメディアの歴史と今をざっくり知れる「新しいメディアの教科書」

佐々木俊尚さんの「新しいメディアの教科書」を読みました。


Kindle Single というシリーズの1つになっており、Kindleでしか読めません。紙では読めません。

その代わり、99円という異常な安さになっており、Kindle Unlimited 会員なら無料で読めるので、Kindleユーザーであれば、非常に手に取りやすい形になっています。

教科書らしく、Webメディアの歴史がざっくりまとめられている

内容を踏まえると、なおさら破格でしょう。

サクッと読めるボリュームで、Webメディアとその周辺(広告など)の、歴史と現在がまとめられています。まさに教科書。

目次

はじめに

第一章 ネット広告という「原罪」
第二章 バズフィードが狙う「新しい垂直統合」
第三章 ニューヨークタイムズは新興メディアを追う
第四章 コンテンツの革命も起き始めている
第五章 SNSがメディアになる時代

おわりに

ネット広告が破壊したものや、生み続けている違和感、論争とは、一体どういうものなのか。

それを新興メディアはどう解決しようとしていて、新聞などの昔から続くメディアは、どう追いかけているのか——。

このあたりについて、「なるほど、よく聞くあの話やあの問題って、そういうことだったんだ」と、非常に腑に落ちる形で学べます

例えば、このあたり。

広告というものは、クライアントが消費者に伝え、消費者がその広告を見る。そして「ほしい」と思ったら商品やサービスを購入する。そこにはクライアントと消費者、メディアのウィンウィンウィン(三方よし)の関係がある。ところがアドセンスには、そういう関係はない。「互いの関係」というようなコミュニケーション的なものとは無縁の原理で駆動しており、広告ではない。これは広告類似物だとザッカーマンは指摘している。

なぜ昨今、ネイティブ広告など、新しいWeb広告の形について論じられるようになったのか。その理解が一層深まりました。

歴史を踏まえつつ、現在のWebメディア事情もざっくり解説

歴史だけでなく、そこから今知っておきたいWebメディア事情も節々で知れるので、意外とすぐに役立つ内容も多いです

ツイッターは外部のSNSに広がりやすく、フェイスブックは内部だけでシェアされやすい

フェイスブックでは人々の個性や感情について表現した動画が見られやすく、ユーチューブでは事実に基づいたものや、お笑い系の動画が見られやすい

完成された記事だけを読者に提供するのではなく、その記事がどのように取材され、どのように書かれたのかという楽屋裏を見せることで、読者は記者に親近感を抱き、つながりを感じるようになることが期待できるのだ

「SNS活用術」みたいな悪魔に魂売る系のテクニックの話ではないので、そのあたりも好印象でした。

Webメディアに関心がある人は、目を通して損なし

Webメディアの世界は移り変わりが速く、少し気を抜くと「今」に目を向けることだけで精一杯になりがちです。

そんなWebメディアの世界にいる人や、外にいるけど関心がある人なら、さらっと目を通してみて損はない1冊だと思いました。

過去から未来まで、帯でWebメディアの変遷を捉えるための一助になるはずです

よっしー

1995年大阪生まれ 音楽とインターネット育ち。

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