「世界観」の正体

音楽の方出身とあってか、「世界観」という概念を意識することがよくあります。最近は音楽だけでなく、さらに広い範囲で適用して考えることも増えました。


しかし「世界観」とは一体何なのか、意外としっかり考えたことがありません。曖昧な表現として頼り続けるのは良くないかなとふと思ったので、今回自分の中で少し明確にしてみることにしました。

世界観は”複数要素の度合いの関係”で決まる

ただこれ、実は以前にこんなツイートをしたときに、おおよそ結論づいていた話ではあります。イベントでの例でした。


バンドであれば、各メンバーの音楽性がどういった要素を構成してお互いに噛み合っているか。ライブであれば、音楽・照明・服装・MCなどが、それぞれどのようなものを狙い、交わっているか。

つまり、

– ”それ”を構成する要素の各々が、

– どのような方向に、どれほど突き抜けて存在していて、

– 結果、どのように”それ”が形成されているか

で、世界観というのは決まってくるんじゃないかと思うんです。少々、言葉では分かりにくいでしょうか。

そこで、少々乱暴ながら、レーダーチャートで模式的に表すとイメージしやすいのかなと考えました。

整った世界観

例えば「整った世界観」を図で表すとこんな感じ。

”世界観要素”という言葉を当てました。これがバンドでいう各メンバーの音楽性であり、ライブパフォーマンスでいう音楽・照明・服装・MCなどの各要素にあたります。

つまりこの図は、それらの要素の全てがほぼ同じものを狙えている状態を表します。例えば、バンドメンバー皆が「俺たちのやりたい音楽は、”カッコいい”ものだ。”かわいい”ものじゃねえ」と一致しているような状態です。

いまいちな世界観

イケているとあまり言われない、あるいは「世界観がないね」と言われる状態がこんな感じかと。

各々の目指すものが一致していない状態ですね。図にするといびつになる。「カオス」もこれに入るかと。

独特で、かつ容認され得る世界観

ところで、初めに挙げた「整った世界観」がキャッチーでありベストかと言われると、実はそうではないとも思うんです

言い方を変えれば「面白みがない」から。あと1つパンチが足りない、みたいな。優秀すぎるというか。

というわけで最近、世間的に評価されているものって、結構こういうパターンが多いのではないでしょうか。

つまり、おおよそ整っているんだけど、1つ何か飛び抜けた要素がある、という。バンドで言えば、「メンバーのうち、1人だけが浮いた身なりをしており、それがそのバンドを唯一無二のものにしている」ような状態ですね。

ちなみに、サカナクションの山口一郎さんがよく言っている”良い違和感”も、これが近く関係しているのではと思っています。

フォークソングとかは弾き語りで聴いていてもいいけど、そこにピアノの音が入ってきたり、街の雑踏や、綺麗な音が入ってくるだけで急に雰囲気が変わるでしょ? そういった違和感がフォークソングの中に入り込んでいることで良いって思ったりする人もいるんだよね。それが、音楽での良い違和感だと思うな

サカナクション 山口一郎先生生放送教室に登場!! | SCHOOL OF LOCK! 生放送教室

整った部分に、1つ2つと数少ないながら、確かな違和感が紛れ込んでいる。これが今回述べた、絶妙なバランスで形成される「独特で、かつ容認され得る世界観」のことかと思うのです。


もちろん、今回のレーダーチャートはあくまで模式的に簡単に表現したものに過ぎません。

しかし、今のところ自分の中では、ふわっとした「世界観」という言葉について、こういった認識で割と腑に落ちつつあります。そんなお話でした。

よっしー
1995年大阪生まれ 音楽とインターネット育ち。 詳しくはこちら。