チームでリモートワーク、成功の鍵は「絵文字の使用」?——倉貫義人『リモートチームでうまくいく』

倉貫義人さんの「リモートチームでうまくいく」を読みました。

株式会社ソニックガーデン代表取締役という肩書きを持つ倉貫さん。本書は、同社で日常的に行われているリモートワークメンバー込みのチームワーク「リモートチーム」について、その実践までの経緯やコツなどが記されたものです

僕自身はまだ入社3ヶ月の新人なので、今のところは毎日オフィスに足を運んでいるのですが、会社全体としてはリモートワークが割と適宜取り入れられているらしいこともあり、タイトルに惹かれて購入。

結論から言うと、オフィスに毎日通っている今の自分にとっても、グループウェア等でデジタルにコミュニケーションを取る際のコツや、グループウェア中心に仕事を回していく際の考え方が多く学べて、即実践できる内容も多い良書でした

チームのリモートワークは日本的?

まず序盤で語られるチームでのリモートワークに対する考え方が興味深くて。

リモートチームは、物理的に離れた場所で働くという点を除けば、その実態は社員同士がお互いに助け合って、相談をしたり雑談をしたりコミュニケーションを図ったりしながら、共同作業で成果を出していくという、昔ながらの日本の会社の働き方と非常によく似ています。そこには欧米的な個人の成果主義よりも、古きよき日本流の経営が求められます。

リモートワークというと、単独でPCに向かっている姿が浮かび、先進的・欧米的なイメージが一般には強い印象なので、この指摘は鋭いなと。欧米の働き方を個人主義と考えたとき、チームでのリモートワークは日本的になる。

つまりチームでのリモートワークは、オフィスであれこれ声が飛び交うような図を、デジタル・バーチャルな形でも実現することが重要なわけですね。

ただ静かに黙々と仕事をすることを美徳とする企業文化ではなく、ワイワイガヤガヤとした雰囲気の中で協力し合うという企業文化のほうがうまくいくのです。

納得感があります。

チャットでは絵文字を使え

個人的に面白かったのが、チームでのリモートワークの際には必ず使うであろうデジタルコミュニケーションツールのコツ。チャットなどですね。

というのも自分は、あまり文章を書くことが苦でないことと、変に誤解されたくないことが理由で、チャットであろうとなんであろうと、基本「ある程度まとまった形で投稿したい」という癖があります。

また絵文字や顔文字、さらには「!」も、これといった事情がなければあまり使わないのですが、このあたりがチャットではよろしくないと本書は一刀両断。

チャットは、メールによるコミュニケーションと違って、即時性、つまり素早いレスポンスが要求されます。そして、長い文章で一度に伝えるよりも、相手とのやり取りのなかで実際に会話をするように伝えていきます。そうしたチャットでの会話ができることは、リモートワークをする上での最低限のリテラシーとなります。

最低限のリテラシー…。

チャットはテキストを使ったコミュニケーションになるので、これまでのビジネスシーンで使っていた文書やメールと同じような表現や書き方をすれば、ともすれば冷たい印象を与えかねません。そこで適宜、顔文字や絵文字を使うなど、テキスト上での柔軟な表現力も求められます。

それなりの年齢の大人にとって、絵文字を使うことは抵抗があるかもしれませんが、ここで言っているのは社内に限定したチャットの話であり、仲間内だけのことと考えれば、絵文字への抵抗感は減るかもしれません。仕事の会話の中で絵文字を使うのは、テキストでのコミュニケーションが中心となるリモートチームでは大事なことです。

うーん、まさしく…。

というわけで最近は顔文字を中心に、絵文字や「!」も社内のコミュニケーションでは多用するようにしています。

コミュニケーション以外にも重要なリモートワーク術が

コミュニケーション以外の点でも、どういった仕事の進め方がリモートチームでは向いているかも語られています。

情報をオープンに共有し、メンバー皆が自立して動けるようにする

まず1つは、情報はオープンにすべきということ。

チームでリモートで働くとなると、いつでも責任者が各メンバーに目を光らせておく、といったことは難しくなります。

そうなってくると必要なのが、メンバー個々が自立して、やるべきことを考え、実行していける状態。そしてそこに欠かせないのが、情報が原則オープンになっていることといいます。

社内の情報をオープンにできない企業文化では、リモートチームは難しい

よく社員が主体的に動いてくれない、会社に対して積極的に提案をする意欲がない、などと嘆く会社がありますが、もしかすると、そこには社内の情報格差があるのかもしれません。社員をマネジメントするために閲覧できる情報を制限しているとしたら、それこそが社員の主体性を奪っていた原因だと考えられないでしょうか。

当たり前ではあるのですが、「この会社・部署はいまどんな状態にあるのだろう」「いま誰がどんな話を抱えているのだろう」「そこで今自分がすべきことは何だろう」と思考するにあたって、どこか情報が欠けていたらまともに実行なんて出来やしませんよね。

終わり際のちゃぶ台返しを避ける、細かく早めのフィードバック

そしてもう1つが、フィードバックは細かく分けて、早めに行っていくべきということ。

完成してから提出するのではなく、大枠ができたところで早めのフィードバックをもらえるように、あらかじめ共有しておくのです。このプロセスはリモートワークの場合にこそ重要です。
というのも、同じオフィスにいれば、途中でハマっている(苦労している・問題が生じている)かどうかなどは、まわりで見ていればだいたいわかりますが、リモートの場合はそうはいかないケースが多いからです。そこで、早めに小さくフィードバックしていくのです。小さな確認の積み重ねが、信頼の積み重ねになります。

リモートワークに限らない話だとは思いますが、リモートワークだとより「終わり際になってから話のズレや、クオリティ不足が発覚して、大きくやり直し」といった悲劇が起こりやすくなるためと。

これ、確かにいまオフィスにいながらも、グループウェア中心に回る過ごし方をしているので、確かに納得がいきました。

よほど自分に力がついてきて、1人でそこそこ進めても一定の完成度のものができあがる領域に達しているのであれば話は変わってくるのでしょうが、今の自分のような新人は特にこういった考え方って大事だよなと、ひしひし感じます。

おしまい

単独フリーランスの方にはどこまで役立つのか未知数ですが、会社などのチームでリモートワークを行うことがある、あるいはそういったワークスタイルに興味がある方、またグループウェアなどデジタルなツールを使ってのコミュニケーションを多くする立場にある方には、学びが多い1冊だと思いました

一節一節が端的に、分かりやすい言葉で書かれている点もよかったです。どんどん自分の実践にも落とし込んでいこうと思います。