2014年Amazonベストセラー「嫌われる勇気」を読んで:自由になるには、幸せになるには、僕らはどう生きれば良いのか。

嫌われる勇気。2014年のAmazonベストセラー1位にもなったみたいですね。

「アドラー心理学」を対話形式で解説

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日本ではあまり有名ではないですが、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と呼ばれるアドラー。

アドラー心理学をほんとうに理解して、生き方まで変わるようになるには、「それまで生きてきた年数の半分」が必要になるとさえ、いわれています。

書中でこれほどまでに語られるほど壮大な彼の思想「アドラー心理学」を、この本では我々と同じく人生に悩む「青年」、そしてギリシア哲学やアドラー心理学を研究してきた「哲人」による対話物語形式で、分かりやすく解説してくれます。

「いまのあなたが不幸なのは自らの手で『不幸であること』を選んだから」

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アドラー心理学はギリシア哲学と地続きにある思想と本書でも言われており、本書では最終的に「どうすれば幸せになれるか」というところまで論議されていきます。

「こういう災難にあったから、環境が悪かったから、今わたしは不幸なのだ」という原因論的な考えを、アドラー心理学では明確に否定し、すべて人は何かしらの目的をもって行動しているとします。

つまり、不幸であると感じる場合も、実はそうありたい故にその原因(理由)を作り出しているだけなのだと。

いまのあなたが不幸なのは自らの手で「不幸であること」を選んだからなのです。

 

例えば「青年」は、「自分はひねくれた性格だから、誰も付き合ってくれないのだ」と考えていたのですが、それに対し「哲人」はこう言います。

誰かから小馬鹿にされ、拒絶され、心に深い傷を負うことを怖れている。そんな事態に巻き込まれるくらいなら、最初から誰とも関わりを持たないほうがましだと思っている。つまり、あなたの「目的」は、「他者との関係のなかで傷つかないこと」なのです。

では、どうやってその目的をかなえるのか? 答えは簡単です。自分の短所を見つけ、自分のことを嫌いになり、対人関係に踏み出さない人間になってしまえばいい。そうやって自分の殻に閉じこもれば、誰とも関わらずにすむし、仮に他者から拒絶されたときの理由づけにもなるでしょう。わたしにはこういう短所があるから拒絶されるのだ、これさえなければわたしも愛されるのだ、と。

つまり「人と付き合うのが怖いから、自分のひねくれた性格を見つけ出している(作り出している)だけなのだ」と。

個人的に思い当たるところがあり、痛快でした。

“課題の分離”から生まれる自由への切符、それが「嫌われる勇気」。

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課題の分離。

一言で言えば、ある事柄(課題)に関して、本来誰がそれに関して決定を下すべき人間なのかを明確に認識し、自分のものと他者のものを区別するということ、という感じでしょうか。

勉強することは子どもの課題です。そこに対して親が「勉強しなさい」と命じるのは、他者の課題に対して、いわば土足で踏み込むような行為です。これでは衝突を避けることはできないでしょう。

哲人 われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを分離していく必要があるのです。
青年 分離して、どうするのです?
哲人 他者の課題には踏み込まない。それだけです。

 

そしてこの本では、「我々は承認欲求を満たそうとしてしまうが故に、他人の期待に沿おうと周りの目を気にして、自分に嘘をついて生きてしまう」と説き、それを不自由と定義します。

だからこそ、自由とは他者から嫌われることであり、その「嫌われる勇気」を身につけることにも課題の分離が必要と論じます。

「嫌われたくない」と願うのはわたしの課題かもしれませんが、「わたしのことを嫌うかどうか」は他者の課題です。わたしをよく思わない人がいたとしても、そこに介入することはできません。

終わりに

非常に読み応えがありました。衝撃的な内容が多かったですが、同時になんだかスッキリさせられました。

全部が全部賛成できたわけではないですし、冒頭の引用の通り、完全に理解して生き方に実践していくには、本当にそれまで生きてきた年数の半分(僕は10年か…)必要な規模の、壮大過ぎる思想論理だとは思います。

しかし生きていてぼんやり少しでも行き詰まりを感じている全ての人に、少し刺激を貰う程度の気持ちからでいいので、ひとまず読んでみてほしい一冊だなと思いました。

ぜひ。