若者のネット世界は、もはや僕らが知るインターネットではない——りょかち「インカメ越しのネット世界」が描くリアルな若者SNS事情

読みまして。

きっかけは、こちらの関連イベントが気になって、その流れから。

著者のりょかちさんは、某IT企業(ちなみに有名なアレ)で働くかたわら、ここ1年ほどでWebでゴリゴリ名を上げてきた「自撮ラー(自撮り女子)」。

経緯は覚えていませんが、その自撮りの活動を始められた序盤から何故かTwitterでフォローしていて、当初は「また面白そうな人見つけられたー」くらいでした。

しかし、あれよあれと言う間にWebメディアでどんどん見るようになって、いつの間にか本まで出しちゃうような方に。時の流れってすごい。

Snapchat・Instagram Storiesの魅力がようやく理解できた

タイトルの「インカメ越しのネット世界」は、少し噛み砕くと、「自撮りを何の抵抗もなくカジュアルに行える世代=若者にとってのインターネットとは」となるのでしょう。

とはいっても、本書はよく見る「若者のソーシャルメディア利用状況 最新版」みたいな、数字や短い言葉で客観的・抽象的に綴られたものではありません。

ライトな文体で記されたエッセイ仕立てで、内容はりょかちさんの実際の知見や経験ベースのものばかり。非常にリアルです。帯に書かれた「自撮り女子が語る、エモいインターネットの現在と未来。」が端的に表してくれているなと感じます。

で、しかしながら自分も何だかんだまだ20代前半で、かつインターネットには浸かっているつもりの人間なので、正直「まあそこまで新鮮な話があるわけでもないだろう」というつもりで読んでみたのですが、これが大ハズレ。

「”今の若い子たちは、このソーシャルメディアを多く使っている”という事実ベースの話だけで、自分は若い世代にとってのインターネットを全て理解しているつもりだったのか」と痛感しました。

例えばSnapchatの話。Snapchatを始め、Instagram Storiesについても、機能や数字ベースの使用状況はある程度アンテナ張ってチェックしていましたが、この話には本当に「なるほど、ようやくこれらが広く支持されている理由が感覚として分かった…」と思わされました。

Snapchatを使い始めたとき、「これはほんとうにしゃべっているみたいだ」と思った。とりとめもない、しょうもないことを動画や画像で送り合う。テキストにしたら、意味がなさすぎて成立しないかもしれない。だけど、なんとなくこの雰囲気や誰かと一緒にいることを伝えたい。それは、週末に恋人に対してだらだらと話す近況のようなものによく似ている気がした。そして、「こんなテキスト化出来ない雰囲気を遠くにいる誰かに届けられるなんて、革命だ!」とも思った。

言語化が本当に素晴らしいんですよね。

「若者のインターネット」がリアルに知れる貴重な内容

もちろん、よくある抽象的な「若者のソーシャルメディア最新状況」のようなものが悪かったり、無意味だったりするわけではありません。

しかしながら、本書で語られるような”リアルな”若者の事情というのは、なかなかそういったデータからは見えず、若者そのものでなければはっきりと認識できる機会がほとんどないんだなと、今回切なくも強く感じました

そういうわけで、若者のインターネット文化に興味がある人や、またはそれらを知るべき立場にある人には、本書は貴重な内容になるのでは、と思います。若者のインターネット事情を、我々にも分かる形でリアルにエモく言語化してくれた良書だと感じました。


というわけで明日はイベントの方にも行ってきます。本の内容と連動しつつ、かつ個人的に興味のある複業的な内容も聞けるのかな?という感じなので楽しみです。

よっしー
1995年大阪生まれ 音楽とインターネット育ち。 詳しくはこちら。